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ファシリテーションとは?会議を変えるスキルと定着させる方法

ファシリテーションとは?会議を変えるスキルと定着させる方法

会議が長いのに結論が出ない、一部の人しか発言しない – 。そんな悩みを解決するのが「ファシリテーション」です。本記事では、ファシリテーションの基本と必要なスキル、よくある失敗例、さらに職場に定着させる方法までをわかりやすく解説します。

ファシリテーションとは?

ファシリテーションとは、会議や話し合いを「ただ進めること」ではありません。

本来の目的は、参加者の意見を引き出し、互いに理解を深めながら、チーム全体で納得できる結論を導くことです。

例えば、会議で「一人の意見だけが強く通ってしまう」ことはよくあります。こうした場面でファシリテーターがいれば、中立的な立場で他のメンバーにも意見を求め、全員が話しやすい雰囲気をつくります。また、出てきた意見を整理し、「では、具体的にどう進めるか?」と合意形成に導きます。

つまりファシリテーターは、司会者ではなく、「成果につながる仕組みを設計する役割」なのです。

なぜいまファシリテーションが求められるのか

働き方が多様化し、リモート会議も当たり前になった今、会議の難しさは増しています。画面越しでは一部の人しか発言せず、沈黙が続いたり、意見が対立して結論が出なかったりする場面は多いのではないでしょうか。

日本の組織では特に「上司の意見に合わせてしまう」「本音を言いにくい」という文化が根強くあります。その結果、会議が長時間続いても「何が決まったのか分からない」「誰が何をするのか不明確」という状態に陥りがちです。

このような状況を解決するために必要なのが、ファシリテーションです。ファシリテーションを取り入れることで、全員が安心して意見を出し合える環境が整い、結論が明確になり、会議後に具体的な行動につながるようになります。

ファシリテーションに必要なスキル4選

ファシリテーションを成功させるには、次の4つのスキルが特に重要です。ここでは実際の会議シーンを例に挙げて解説します。

1. 雰囲気づくり

会議の冒頭から「安全で話しやすい場」をつくることが基本です。

例えば、上司が先に結論を言ってしまうと他のメンバーは口をつぐみがちです。そこでファシリテーターは「今日は自由に意見を出してもらうことを目的にしています。正解はありません」と前置きしたり、アイスブレイクで緊張をほぐすことで、全員が話しやすい雰囲気を整えます。

2. 問いの設計

議論の質は、問いの立て方で決まります。

「この企画に賛成ですか?」と聞けば「はい・いいえ」で終わりますが、「この企画が実現したら、顧客にどんな良い変化があると思いますか?」と聞くと、多様で具体的な意見が引き出せます。ファシリテーターは状況に応じて「広げる問い(ブレスト)」と「絞る問い(意思決定)」を使い分けることが大切です。

3. 意見の可視化

会議で出た意見を口頭のまま流してしまうと、誰が何を言ったのか混乱し、同じ議論を繰り返してしまいます。

そこでホワイトボードや付箋、オンライン会議であれば「Zoomのホワイトボード機能」や「Googleスライド」などの身近なツールを使って意見を見える化すると、全員が共通認識を持てます。例えば「顧客メリット」「コスト」「リスク」の3カテゴリに分類しながら書き出すと、論点の整理がスムーズになります。

4. 合意形成

最終的に「何を、誰が、いつまでにやるか」が明確にならなければ、会議の意味がありません。

ファシリテーターは会議の終盤に「ここまでの議論を整理すると、Aさんが来週までに試作品を準備し、Bさんが顧客に確認を取る。これで進めてよいですか?」と確認します。全員の合意を言語化して残すことで、会議後の実行につながります。

失敗するファシリテーションの典型例

反対に、ファシリテーションがうまく機能しない会議には、よくある失敗パターンがあります。

1. 特定の人だけが話す

発言が一部の人に偏ると、他の参加者は黙り込み、会議は形だけになります。

回避ポイント:発言していない人に「〇〇さんの視点ではどう見えますか?」と声をかけることで、多様な意見を引き出せます。

2. 議論が脱線する

本題と関係のない話題が続き、気づけば時間切れ。結論にたどり着けないことは珍しくありません。

回避ポイント:「重要な論点ですが、今日はゴールが違うので“駐車場”に置いておきましょう」と明言して話を戻す。こうした「駐車場方式」は会議効率を高めます。

3. 結論が出ない

曖昧なまま終わると、会議後に「結局どうするの?」と混乱が広がります。

回避ポイント:冒頭で「今日は次のアクションを決めるのが目的です」とゴールを宣言し、最後に「誰が・何を・いつまでに」行うかを必ず確認することです。

✔ ポイントは、「成功するためのスキル」と「失敗例+回避策」を対にして示すこと。読者が「うちの会議にも当てはまる」と実感しやすくなり、記事の価値がぐっと高まります。

ファシリテーションを定着させるには?

ファシリテーションは、1回の研修や本を読んだだけでは身につきません。なぜなら「知識」と「実践」と「習慣化」の3つがそろって初めて効果を発揮するからです。

単発研修の限界

多くの企業では、会議改善のために1日研修やワークショップを導入します。たしかに受講直後は参加者が「なるほど!」と意識し、会議でも積極的に試そうとします。

しかし、現場に戻ると「忙しい」「従来のやり方に戻ってしまう」という壁に直面し、数週間も経つと学んだことを実践しなくなるのが現実です。

定着のための仕組み

ファシリテーションを本当に根づかせるには、次の3つの要素が必要です。

1.繰り返しの実践:実際の会議で使い、振り返りを行う。
2.伴走サポート:
上司や外部のファシリテーターが定期的にフィードバックする。
3.時間をかけた習慣化:
数か月単位で継続することで、自然に行動が変わる。

例えば、毎週の定例会で「今日は意見の可視化を意識しよう」とテーマを設定し、翌週に改善点を共有する。これを積み重ねることで、ファシリテーションが“スキル”から“当たり前の習慣”へと変わっていきます。

だから「定着型研修」が必要

こうした習慣化の仕組みを企業内で自力で作るのは難しいものです。だからこそ、1年間を通じて反復と実務連動をサポートする「定着型研修」が効果的です。

知識を学ぶだけでなく、実際の会議に落とし込み、継続的なフィードバックを受けながら改善することで、ファシリテーションが管理者やチームに根づき、組織文化そのものを変えていけます。

解決策 ― 定着型の管理者研修

ファシリテーションを自社に根づかせたいと思っても、実際には「学んだだけで終わる」「忙しくて実践が続かない」という壁があります。

この課題を解決するのが、定着型の管理者研修です。

ヴォケイション・コンサルティングの管理者研修の特徴

ヴォケイション・コンサルティングが提供する管理者研修は、単発ではなく1年間を通じて伴走する仕組みを備えています。

・繰り返しの実践:会議や日常業務に直結したテーマで演習。
・実務連動:現場の課題を持ち寄り、その場で解決策を考える。

・チャットサポート:研修日以外でも疑問や悩みに即時対応。
・行動定着:
反復とフィードバックで「使えるスキル」に変換。

期待できる効果

会議の時間が短縮され、生産性が向上する
意見が活発に出て、合意形成がスムーズになる

管理者のリーダーシップ力が強化され、離職率の低下にもつながる
組織全体に「成果を出す会議文化」が根づく

会議やチーム運営を改善したい、管理者にファシリテーションを根づかせたいとお考えの方へ。単なる知識習得にとどまらず、“当たり前を更新する”1年間の定着型研修を導入してみませんか?

✔ 詳しくはこちらをご覧ください:
 管理者研修