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ジョブ型雇用とは?「向いている人」より先に知っておきたい、評価の仕組みと準備の話

ジョブ型雇用とは?「向いている人」より先に知っておきたい、評価の仕組みと準備の話

「ジョブ型雇用を取り入れるべきか」
この問いを、一度も考えたことがない採用担当者は、もう少ないはずです。

職務定義を明確にする。
評価基準を揃える。
ミスマッチを減らす。

方向性としては、正しい。
理屈も分かっている。

それでも、現場ではこんな感覚が残っていませんか。

・求人票を書いても、何かが違う
・面接で見極めたつもりでも、入社後に違和感が出る
・「ジョブ型」と言いながら、結局は人柄や経験で判断している

制度の話は理解しているのに、
採用が急にうまくいくわけではない。

むしろ、
「ジョブ型を意識し始めてから、判断が難しくなった」

そう感じている担当者も少なくありません。
それは、採用担当者の力量の問題ではありません。
多くの企業が、同じところで立ち止まっています。

ジョブ型雇用は「制度導入」ではなく「採用の問い直し」

ジョブ型雇用とは、
採用フローを変える制度ではありません。
「何を見て人を採るのか」を問い直す考え方です。

制度を整えれば解決する。
職務記述書を書けば機能する。
そう考えると、必ずどこかで歪みが出ます。

なぜなら、
多くの企業ではまだ

・その仕事で「何が決まるのか」
・どこまでを任せたいのか
・成果とは何を指すのか

ここが、言葉になりきっていない。

結果として、
求人票は整っているのに、
面接では「結局、どんな人がほしいんだっけ?」という状態になる。

ジョブ型雇用の本質は、
即戦力を集めることではありません。

仕事を基準に、人を見る目線を揃えること。
ここが定まらないままでは、
どんな制度も採用の負担を減らしてはくれません。

逆に言えば、
この目線が整理できた企業から、
採用は確実に楽になっていきます。

ここから先では、
なぜジョブ型を掲げても判断がブレるのか。
その背景を、もう少し掘り下げていきます。

なぜジョブ型を意識すると採用が難しくなるのか

ジョブ型雇用を意識し始めた企業ほど、
採用の現場でこんな違和感を抱きます。

「基準を明確にしたはずなのに、判断が揺れる」

これは矛盾ではありません。
むしろ、自然な反応です。

理由はシンプルで、
これまで暗黙でやってきた判断を、言葉にする段階に入ったからです。

従来の採用では、

・この人なら現場でうまくやれそう
・周囲と合いそう
・過去の経験が似ている

こうした感覚的な判断が、ある程度機能していました。

ところがジョブ型を意識すると、
「この仕事では、何を任せたいのか」
「どこまで決めてもらう前提なのか」

という問いが避けられなくなる。

ここで多くの企業がつまずきます。

職務内容は書ける。
業務フローも説明できる。

でも、
その仕事が会社にとって“どんな意味を持つのか”
ここが曖昧なままになっている。

その状態で採用を進めると、

・求人票と面接の質問が噛み合わない
・面接官ごとに評価がズレる
・「結局、誰を採るべきか」で迷い続ける

ジョブ型雇用が採用を難しくしているのではありません。
仕事そのものが、まだ整理しきれていないだけなのです。

同じ「ジョブ型」でも結果が分かれた2社

ここで、よくある2つのケースを紹介します。
どちらも、ジョブ型を意識した採用に取り組んだ企業です。

ケース①:職務定義を整えたのに、ミスマッチが続いた企業

ある企業では、
ジョブ型を意識して職務記述書を作成しました。

・業務内容は明確
・必要スキルも整理済み
・求人票としては完成度が高い

しかし、入社後にこんな声が出ます。

「思っていた裁量と違う」
「判断していい範囲が分からない」

原因を探ると、
その仕事で“何を決めてほしいのか”が共有されていなかった。

業務は書いてある。
でも、判断の重さや責任の位置づけが抜けていた。

結果として、
スキルは合っているのに、期待とズレが生じた。

ケース②:職務より先に「役割」を揃えた企業

別の企業では、
最初にこんな整理から始めました。

・このポジションが担う意思決定は何か
・他部署とどう関わるのか
・失敗した場合、どんな影響が出るのか

そのうえで職務を言語化し、採用を進めた。

面接では、
「できるかどうか」より
「どう考えて判断するか」を確認。

結果として、
・入社後のギャップが少ない
・立ち上がりが早い
・評価のブレも起きにくい

同じジョブ型でも、
どこから整理したかで、採用の質が大きく変わることが分かります。

ジョブ型雇用は、
正解のテンプレートがある制度ではありません。

採用がうまくいかないとき、
見直すべきなのは「制度」ではなく、
仕事と期待の言葉の置き方です。

次のセクションでは、
採用担当者が現場で実際に使える
整理のステップを紹介していきます。

採用現場で今日からできる整理の進め方

ジョブ型雇用を「導入する・しない」で考えると、話は重くなります。
採用現場で必要なのは、もっと地に足のついた整理です。

やることは、意外と多くありません。

ステップ1:まず「業務」ではなく「任せたい判断」を書き出す

人票を見直す前に、問いを一つ変えます。

・このポジションで、何を決めてもらいたいのか
・どこまでを現場判断として任せたいのか

業務内容は後回しで構いません。
判断の重さを先に言葉にします。

ステップ2:判断が会社に与える影響を確認する

次に、その判断がズレたとき、
・どこに影響が出るのか
・誰が困るのか
・どの程度の修正コストがかかるのか

ここを整理します。

この工程を挟むだけで、
「なぜこのポジションが必要なのか」が
採用チーム内で共有しやすくなります。

ステップ3:最後に業務・スキルへ落とす

判断と影響が整理できたら、
そこから逆算して、
・必要な経験
・望ましいスキル
・面接で確認すべきポイント

を決めていく。

この順番にすることで、
求人票と面接のズレが起きにくくなります。

ジョブ型採用でよく起きる失敗

ジョブ型を意識した採用で、
現場が疲弊してしまうケースもあります。

よくある落とし穴を、いくつか挙げます。

落とし穴①:職務記述書を「完成させること」が目的になる

書類として整っているかどうかと、
採用がうまくいくかどうかは別です。

言葉は整っているのに、
面接官ごとに解釈が違う。
これは珍しくありません。

落とし穴②:「即戦力かどうか」に話が戻ってしまう

ジョブ型=即戦力、という短絡的な理解に引きずられると、
結局、採用の視野が狭くなります。

重要なのは、
今できるかどうかより、どう判断する人か。

ここを見ない限り、
ミスマッチは減りません。

落とし穴③:採用だけで完結させようとする

採用時にどれだけ整理しても、
入社後の期待が共有されなければ、意味が薄れます。

オンボーディングや評価と、
採用の言葉がつながっているか。
ここは必ず確認しておきたいポイントです。

ジョブ型を「制度」で終わらせないために

ジョブ型雇用を考えるとき、
多くの企業が「評価制度」や「職務定義」から入ろうとします。

ただ、採用の現場に立っていると、
こう感じる瞬間も多いのではないでしょうか。

・説明会で、学生の反応がいまひとつ
・面接官ごとに質問や判断がバラつく
・内定後のフォローに手応えが持てない
・少し改善してみたが、それが正解か分からない

これは、やり方が間違っているわけではありません。
採用全体を貫く「考え方」と「共通言語」がまだ揃っていないだけです。

ジョブ型雇用の本質は、
制度を導入することではなく、
「この会社で、どんな役割を担う人を育てたいのか」を言葉にすることにあります。

その言葉が揃っていないままでは、

・説明会は一方通行になり
・面接は担当者任せになり
・内定者フォローは場当たり的になる

結果として、
学生との距離も、社内の足並みも揃いません。

だからこそ、
ジョブ型を本気で考える中小企業ほど、
新卒採用から定着までを一つの流れとして見直す必要があります。

ヴォケイションコンサルティングの
新卒採用力強化サポートは、
新しい手法を「導入する」サービスではありません。

・採用担当者が一人で抱えている悩みを、気軽に相談できる
・面接・説明会・内定者フォローを、同じ考え方で揃えていく
・日々の業務に追われながらでも、少しずつ改善を積み重ねられる

そんな現場に寄り添った支援を通じて、
自社らしい採用と育成の形を整えていきます。

ジョブ型雇用を、
難しい制度の話で終わらせないために。

まずは、
採用の現場で起きている小さな違和感から、
整理してみるところから始めてみてください。

その積み重ねが、
学生との対話を変え、
採用の手応えを確かなものにしていきます。