「CMOって、うちにも必要だろうか?」
こういった言葉で検索している時点で、
おそらくあなたの会社は、すでに“何か”が噛み合っていないはずです。
売上が伸び悩んでいる。
広告費は使っているのに、手応えがない。
営業の頑張りに頼りきりで、再現性が見えない。
一方で、
「CMOを採用して成功した」という話も目に入る。
大企業だけの話だと思っていたけれど、中小企業向けの記事も増えてきた。
ただ、正直こう思っていませんか。
- いきなり役員クラスを入れるほどの規模じゃない
- マーケティング担当はいるし、外注も使っている
- そもそもCMOって、何をしてくれる人なのか曖昧
「必要そうな気はする。でも確信が持てない」
この“引っかかり”を放置したまま、
採用に踏み切るのも怖いし、何もしないのも不安。
多くの経営者が、ここで止まります。
そもそもCMOを必要としない会社の特徴
CMOは、すべての会社に必要な存在ではありません。
ただし、ある条件がそろった会社にとっては、非常に強力な一手になります。
ポイントは一つだけです。
「マーケティングの作業」ではなく、「マーケティングの判断」に困っているかどうか。
広告運用ができないから。
SNSが弱いから。
集客が足りないから。
──この理由だけでCMOを入れると、ほぼ確実に失敗します。
一方で、
- どこに力を入れるべきか、毎回迷う
- 施策が増えるほど、全体像が見えなくなる
- 社長自身がマーケの意思決定に時間を取られすぎている
こうした状態に心当たりがあるなら、
CMOは「人を増やす選択」ではなく、経営判断を軽くする選択になり得ます。
なぜCMOが“必要になる会社”と“不要な会社”が分かれるのか
CMOが必要かどうかを分けるのは、
会社の規模でも、売上額でもありません。
違いはもっとシンプルです。
「決めるべきことが増えすぎているかどうか」
少し具体的に説明します。
マーケティングが“作業”のうちは、CMOはいらない
創業期や小規模な段階では、
- 広告を出す
- 問い合わせに対応する
- 営業がそのまま集客も見る
このやり方で回ります。
決めることが少ないからです。
「とにかくやってみる」
「反応があったら続ける」
このフェーズでは、スピードの方が大事。
CMOのような役割を置いても、正直、持て余します。
問題は、施策が増えた“あと”に起きる
やがて状況が変わります。
- 広告チャネルが複数になる
- Web、営業、紹介、展示会が混在する
- 売れている理由が説明できなくなる
ここで経営者の頭の中は、こうなりがちです。
「今月は何の施策が効果が出ている?」
「来月、どこに予算を寄せるべきだろう」
「全部やめたら怖いし、全部続けるのも違う気がする」
この状態になると、
マーケティングは“作業”ではなく“判断の連続”になります。
そして多くの中小企業では、
その判断を社長一人が背負い続けることになる。
ここが限界点です。
CMOが機能するのは「判断を整理する役割」が必要なとき
CMOは、広告を回す人でも、SNS担当でもありません。
本質的な役割は、
- どこを伸ばし
- どこを捨て
- どこに集中するか
この優先順位を、経営目線で整理すること。
ヴォケイションコンサルティングが支援してきた中でも、
CMO導入がうまくいった企業には共通点があります。
それは、
「売上が足りない」よりも
「判断が増えすぎていた」
という状態だったこと。
逆に言えば、
判断の負荷がまだ軽い会社にCMOを入れても、
役割がぼやけてしまうのです。
CMOを入れてうまくいった会社/失敗しなかった会社の分かれ道
ここでは、実際にあった相談をもとに、
よく似た2つの会社の話を紹介します。
(内容は分かりやすくするため、一部調整しています)
ケースA:CMOを入れなくて正解だった会社
社員15名ほどのBtoB企業。
売上は横ばいでしたが、赤字ではありません。
社長の悩みはこうでした。
「集客を強化したい。
広告もSEOもやっているけど、正直どれが効いているのか分からない。
CMOを入れた方がいいんでしょうか?」
話を聞いていくと、実態はこうでした。
- 商品はまだ改良途中
- 顧客も業種・規模がバラバラ
- 営業の勝ちパターンが固まっていない
つまり、
マーケティング以前に、事業そのものが試行錯誤の段階だった。
この状態でCMOを入れても、
判断材料が少なすぎて、やれることが限られます。
結果としてこの会社は、
- まず「誰に何を売るのか」を整理
- 営業の勝ちパターンを言語化
- 施策を一度減らす
という選択をしました。
CMOは見送り。
それで正解でした。
ケースB:CMOを入れたことで、一気に楽になった会社
一方、別の会社。
社員30名弱、売上は毎年伸びていました。
ただ、社長の表情は重かった。
「正直、全部自分が決めていて限界です。
広告も、営業も、Webも、細かい判断が多すぎる」
詳しく見ると、
- 商品は明確
- 顧客層も安定している
- どの施策も“それなりに”成果は出ている
問題は、判断が社長に集中しすぎていたことでした。
ここでCMOを迎えたことで、何が変わったか。
- 施策の優先順位を整理する役割ができた
- 社長が「考えなくていい判断」が増えた
- 会議で話す内容が、感覚論から整理された議論に変わった
売上が急に跳ねたわけではありません。
でも、社長の言葉はこうでした。
「頭の中が軽くなった。
次に何を打つかを、冷静に考えられるようになった」
この会社にとってCMOは、
マーケティング担当ではなく、判断の伴走者でした。
2つの会社を分けた決定的な違い
規模でも、業種でもありません。
違いはただ一つ。
「決めることが多すぎる状態かどうか」
ここに尽きます。
CMOを考える前に、まずやるべきこと
いきなり採用を検討する必要はありません。
まずは、次の3つを確認してみてください。
ステップ①
「今、何を決めるのに一番時間を取られているか」を書き出す
頭の中で考えるだけでは不十分です。
紙でも、メモでも構いません。
- 広告の予算配分
- どの施策を止めるか
- 次に伸ばすチャネルはどこか
“迷っている判断”を書き出してください。
もしここがスカスカなら、
CMOはまだ早い可能性があります。
ステップ②
その判断は「作業」か「経営判断」かを分けてみる
次に、その判断がどちらかを考えます。
- 誰かに任せられる作業か
- 経営の方向性に関わる判断か
後者が増えているなら、
人を増やすのではなく、判断の役割を分ける段階に来ています。
ステップ③
「この判断を任せられる相手がいるか」を想像する
実在しなくて構いません。
- 社内にいるか
- 外部でもいいか
- 常勤でなくてもいいか
ここで初めて、
「CMOという役割」が現実的な選択肢として見えてきます。
多くの企業は、
判断の整理 → 役割の切り分け → 初めて人の話
という順番を踏んでいます。
CMOを入れてもうまくいかない会社の共通点
CMOを採用したのに、
「正直、思ったほど変わらなかった」
そう感じている会社は、実は少なくありません。
原因は能力不足ではないことがほとんどです。
つまずきやすいポイントは、だいたい次の3つに集約されます。
落とし穴①
「全部任せれば楽になる」と期待しすぎる
CMOを迎えた瞬間に、
社長の悩みが一気に消える──
そんなことは起きません。
むしろ最初は、
- 意見が増える
- 議論が深くなる
- 判断の理由を説明する場面が増える
一時的に、面倒に感じることすらあります。
ここで「期待と違う」と距離を置いてしまうと、
CMOは力を発揮できません。
CMOは魔法使いではなく、
一緒に考える相手です。
落とし穴②
「何を決めていい人なのか」が曖昧なまま始まる
よくある失敗がこれです。
- 口では「任せる」と言っている
- でも最終判断は毎回社長
- 責任の線引きが曖昧
この状態では、CMOは動きづらくなります。
結果として、
- 提案はするが、決められない
- 現場からも頼られない
- ただのアドバイザー扱いになる
という形に落ち着いてしまう。
CMOを迎える前に必要なのは、
「どこまで決めていいのか」を共有することです。
落とし穴③
短期の数字だけで判断してしまう
マーケティングの取り組みは、
すぐに結果が出るものと、時間がかかるものが混ざります。
それにもかかわらず、
- 数か月で売上が跳ねなかった
- 劇的な変化が見えなかった
という理由だけで「失敗だった」と結論づけてしまう。
実際には、
- 無駄な施策が整理され
- 判断基準が揃い
- 次に打つ手が明確になる
この変化が先に起きることの方が多い。
数字だけを追いすぎると、
その手前にある“変化の芽”を見逃します。
まとめ
CMOの話は、
「採用するか・しないか」の二択ではありません。
本当の問いは、こちらです。
- 判断が社長に集まりすぎていないか
- 優先順位を決める余裕が残っているか
- これ以上、全部を一人で背負い続けられるか
この問いに、
少しでも引っかかりを感じるなら。
CMOという役割は、
将来のための準備として検討する価値があります。
一方で、
- まだ試行錯誤の途中
- 判断の数も少ない
- 手を動かす方が優先
という状態なら、
今は見送る判断も立派な選択です。
大切なのは、
流行や肩書きで決めないこと。
もし今、
「CMOを採るかどうか以前に、
自分の考えが少し混乱している気がする」
そう感じているなら、
無理に答えを出す必要はありません。
多くの経営者は、
- 一度、状況を整理し
- 何に迷っているのかを言葉にし
- その上で次の一手を決めています。
ヴォケイションコンサルティングでは、
いきなり採用や契約の話をすることはありません。
まずは、
- 今、どこで判断が重くなっているのか
- 人の問題なのか、順番の問題なのか
そこを落ち着いて整理するところから始めています。
「決める前に、一度整理したい」
そう思ったタイミングで、
一度、私たちに相談してください。
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答えを急がなくても大丈夫です。
判断が軽くなるだけで、次の一手は自然と見えてきます。